英文法というと比較や仮定法、時制などでつまづく人が多いでしょうか。
これら英文法をマスターするのは重要ですが、ビジネスレベルでは理解できているのは『前提』です。
その次のステップとして、実用英語を学び始めると、口語表現やスラング、ビジネスメールの”作法”などに戸惑いますよね。
私もその1人。
『なんとなく英語を話す』ことはできても、まだまだ英語でのビジネスマナーは覚えることばかりです。
さて、実用英語でハードルになりやすい項目、しかし多くの人が理解していないのが、英語の句読法です。
句読法…すなわち『、』や『。』
パンクチュエーション(punctuation:句読法)とも呼ばれますね。
英語だと,や.の使い方です。
そんなのわかってる?
では『-』『—』『:』『;』『…』はどうでしょうか?
なかなかカンペキには答えられないでしょう。
句読法というより、英語の文章で登場する『記号の意味や使い方』と言った方がわかりやすいでしょうか。
今回は、ビジネス英語で登場しやすい句読法について解説していきます。
当記事で紹介していない用法もありますが、この記事では重要項目に絞ってまとめているので、ぜひ参考にしてください。
文章を区切るカンマ(,)とピリオド(.)
カンマとピリオドの違い
カンマ(,)とピリオド(.)は文章を区切る役割を持ちます。
1つの文章を終わらせるのがピリオドですが、カンマの使い所は迷うところですよね。
I don’t know if that’s true or not, but…
−本当かどうかわからないが…
のようにカンマは接続詞の前に使われることが多いです。
カンマは『1つの文章の中で意味を区切る』のが役目ですから、同じ役割を持つ接続詞と相性が良くなります。
カンマを使う時、使ってはいけない時
さて、
I don’t know if that’s true or not, but…
I don’t know if that’s true or not but…
どちらも正しい文章です。
長文の場合は、読みやすくするために途中でカンマを使用する場合があります。日本語の、に近いですね。
意味が通じる文章の区切れで使用し(全体の文章が短い場合は)省略可能です。
ただし、従属節を頭にするときはカンマが必須となります。
従属節は1つの文をサポートする文章、afterやsince、whenやbecauseなどの従位接続詞に続く文章です。
逆に、独立した文章をつなぐ接続詞が等位接続詞になります。以下がその例です(副詞や節も含む)
等位の例 | 従位の例 |
and | when |
but | since |
yet | after |
so | once |
moreover | because |
otherwise | whenever |
therefore | though |
as well asなど | as far asなど |
表右のような表現で従属節を導かれ、先頭に置かれた場合はカンマが必須です。
(◯)Be sure to send a E-mail to me, when you received a package from him.
(◯)Be sure to send a E-mail to me when you received a package from him.
(◯)When you received a package from him, be sure to send a E-mail to me.
(×)When you received a package from him be sure to send a E-mail to me.
カンマについては他にも多くの意味があります。
(副詞の前置き)Surprisingly, she is the author of this book.
(接続詞の重複防止)I invited Jane, Ann, Jeniffer and You!
(引用前)He said, “I will take care of all of them!”
などがありますが、基本は読みやすくするために文章を区切るということ。
感覚がわかれば、ある程度ラフに使えるようになりますよ。
省略のピリオド
ピリオドは文章が省略されているときにも使用されます。
December→Dec.
Doctor→Dr.
United States America→U.S.A
などが該当します。
また、ピリオドを3つ繋げると(…)文章の省略を表します。
日本語でもそうですが、落胆や呆然といった感情表現に用いられることが多いですよね…
I don’t know if that’s true or not, but…
先ほどのこの文章も、but以降に文章が省略されているという意味になります。
感情を表す感嘆符(!)と疑問符(?)
これらは簡単ですね。
感嘆符は驚きを示すとき、疑問符は疑問文を作るときに用いられます。
How do you think this agenda?
What a beautiful view!
感嘆符をつけるかつけないかで、印象が変わりますよね。
It’s beautiful.
落ち着いた、悪く言えば少し冷たい雰囲気になります。
コロン(:)とセミコロン(;)と接続詞の関係
似ているようで違うコロン(:)とセミコロン(;)
コロンは前の文章を捕捉する役割を持ちます。
前後は完全な文章になっていることが多いですが、She said: 〜のように不完全な文章から引用を導くこともあります。
接続詞のように用いて『すなわち』『例えば』『そのため』といった意味が隠されていると捉えましょう。
We embarked on a new business: we opened Japanese sweets shop in Shibuya.
−我々は新しい事業を始めたよ。(例えば/すなわち)渋谷に和菓子屋を開店したんだ。
セミコロンも2つの文章をつなぐ意味を持ちます。
しかし、2つの文章は独立した意味を持っていないといけません。カンマやピリオドに近い役割を持ちます。カンマよりもはっきり文章を区切りたい時にも使用できます。
Please drop in my desk; I will hand a paper to you.
この2つの役割、どこかで見たことはないでしょうか?
コロンは文章を捕捉し、セミコロンは独立した文章や節と節をつなぐ…
そう、従位接続詞と等位接続詞の関係と同じですね。
つなぐ文章の関係が理解できれば、使い分けはカンタンです。
(意味をしっかり伝えたいときは接続詞を使うべきですが…)
ハイフン(‐)とダッシュ(—)の違いとは
ハイフン(-)とダッシュ(–)は使い道が全く異なります。
ただ長さが違うだけの記号だと思っていませんか?
ハイフンは文章や単語をつなぐためのもの。
face-to-faceといった語句作成や、from~to~などの期間、求人、説明文など、汎用的に使われます。
Requirement
– Experience of FMCG industry.
– Good communication skills.
– Knowledge of biology.
これは求人例の一部です。
ダッシュは文章に挿入句を作るときに使用されます。
Dr. Omasa—one of the most experienced ophthalmologist—developed an apparatus suitable for a laser operation device for cornea.
オオマサ医師は、最も経験のある眼科医の1人だが、角膜レーザー手術に適した装置を開発した。
ダッシュの使用法については知らない人も多いので注意しましょう。
その他の句読法
日常シーンによく出てくる句読法はこれくらいですが、まだまだたくさんの句読法があります。
斜めにするイタリックは強調したい文章や、生物の学名を表し、スラッシュ(/)はorと同じような用法で用いられます。
ジェンダーに注意するときなど、he/sheのように用いますね。
カンマ(’)は所有格の作成(例:Joe’s item)や、省略(例:I’mやcont’d(continuedの略))などに用いられます。
おわりに
ビジネスで英語を使うようになると、大学までの英語やTOEIC、TOEFLとはまた違った『生の英語』が必要になってきます。
私は最近仕事で英語を使う頻度が高くなりましたが、日々勉強不足を痛感しています。
この記事では、学校の勉強ではあまり習わない英文法の本の一部を解説しました。
生のビジネス英語を習得したい人は、私も使っているこのテキストをオススメします。
文法チェックとともに『間違った英文例』をベースにしながら解説されているので、とても身になる参考書です。
間違い例を見てドキッ!とすることも…!?
英語は実際に使って覚えるのが一番です。
誰でも最初はできませんから、勉強は続けつつ、間違えながら体で覚えていきましょう。
それでは。