日本最恐の霊場として知られる『恐山』
”あの世への入り口”
”三途の川”
”地獄に最も近い場所”
こういったイメージが先行し、馴染みの無い人には心霊スポットのイメージが強いかもしれません。
しかし、実際は観光客の受け入れ体制もしっかりしており、レジャースポットと言うと言い過ぎかもしれませんが、意外と気軽に入山できる場所です。
死者を供養するため(水子供養で有名)の地蔵が無限に広がり、神聖で歴史ある霊山であることは事実です。マナーには気を配る必要がありますが、一般観光客も多く、イタズラ目的で近づかなければ素晴らしい観光スポットとなります。
さて、僕は宿坊オタが語るカンタン寺修行のススメという記事でも書いたように、7月下旬に恐山に行ってきます。
宿坊に泊まりつつ恐山の大祭を見学しに行くのが目的です。
恐山は毎年春から秋にかけて開山し、一般客でも入山できるようになりますが、毎年7月20日〜24日に大祭と呼ばれる大規模な祭典が催されるのです。
今回は恐山の大祭典に行くための予備知識として、恐山へのアクセスや祭典情報など、入山に必要な基礎知識をまとめていきます。
恐山へのアクセス、混雑ポイントなど
【住所】青森県むつ市田名部宇曽利山3-2
【連絡先】0175-22-3825(恐山寺務所)
【開山期間】毎年5月1日〜11月上旬 (6時〜18時(祭典時は別途))
【寺名】恐山菩提寺
【アクセス】JR大湊線 下北駅から車で約45分(バスあり)
最寄り駅はJR大湊線の下北駅です。一番近い新幹線の駅は八戸駅ですが、下北駅まではここから私鉄の青い森鉄道で野辺地駅に行き、ここでJR大湊線に乗り換える必要があります。運転が得意なら八戸でレンタカーを借りても良いでしょう。
【路線検索リンク:八戸→下北|乗換案内|ジョルダン】
車を借りなくても下北駅からはバスが出ており、約45分で恐山に到着します。
【バス時刻表リンク:下北駅から恐山まで(恐山線通常便)】
夏と秋の大祭中はイタコ目当てに全国から人が来ます。混雑が予想され、渋滞に巻き込まれる可能性もあるので注意です。
基本的に下北駅からは338号線と4号線を通って行きますが、途中からは完全に一本道となっています。
渋滞で車が全く進まない…ということは少ないですが、時間に余裕を持って計画すべきでしょう。大祭時は周辺の駐車場が軒並み満車になっていることが多いので、早めに出発するのが吉です!
また、休憩場所が少なく、4号線に入るとガソリンスタンドが無いので、下北駅周辺でガソリンを満タンにしておくことを忘れずに!
恐山の夏大祭典と秋祭典
(画像引用元:恐山 – 下北半島の観光 | 下北ナビ)
恐山は夏と秋に大祭が開かれます。
夏の恐山大祭は毎年7月20日から24日に、恐山秋詣りは10月上旬の3連休(体育の日が最終日)となっています。2016年は10月8日〜10日となります。
普段と異なる点はイタコの口寄せが行われることと、供養の受付回数が多くなることです。夏と秋の大祭内容に差はありませんが、夏の大祭では神輿が出るなど、少しだけ規模が大きくなります。
イタコの口寄せ
イタコは、日本の東北地方などで口寄せを行う巫女で巫の一種。シャーマニズムに基づく信仰習俗上の職である。
イタコには霊的な力を持つとされる人もいるが、実際の口寄せは心理カウンセラー的な面も大きい。その際クライアントの心情を読み取る力(一種のコールドリーディング)は必須であるが、本来は死者あるいは祖霊と生きている者の交感の際の仲介者として、氏子の寄り合い、祭りなどに呼ばれて死者や祖霊の言葉を伝える者だったらしい。
(出典:イタコ – Wikipedia)
イタコとは口寄せ…すなわち死者の魂を自身に憑依させてその意思を言葉にする巫女のことです。恐山では夏と秋の大祭期間中にイタコが来るため、死者の声を聞こうと一般客が列を作ります。
イタコの口寄せは予約制ではなく当日申し込みのみです。
イタコの口寄せを体験した方のブログを探してみると”3時間待ち”や”10時間も並んだ”などの記述が見つかります。大祭の観光客の多くはイタコが目的なので、やはり時間に余裕を持って来るのが吉でしょう。
周辺の観光地と注意点
宿坊吉祥閣
吉祥閣は恐山の宿泊施設…すなわち『宿坊』です。
ここでは写経等のプログラムは無く、純粋に宿泊するだけですが、夜(閉山後)の恐山を見ることができ、日帰りでは出来ない経験が出来ます。
夜の恐山というと少し怖いですが…あまり施設から離れないように見学した方が良いかもしれませんね。
僕も今年は吉祥閣に泊まって恐山の大祭を見学してきます。
宇曽利湖
宇曽利湖はカルデラ湖となっており、周囲が12.5kmの大きな湖です
酸性湖で生物はあまり住んでいませんが、澄んだブルー〜エメラルドグリーンの色をした神秘的な湖です。また、北東には『三途の川』が流れており、霊界に最も近い場所とも言われています。
とはいえ、遊歩道やハイキングコースもあり、観光客の受け入れ体制も整っています。
恐山菩提寺
地蔵菩薩を本尊とする寺院です。
正門をくぐって真っ直ぐ進むと見えてきます。恐山にお参りに来た全員が向かう場所でしょう。国内三大霊場の中心であり、その辺の寺院とは迫力が違います。
恐山の中央に位置しており、周囲には様々な施設が点在しています。
その他の施設
(画像引用元:社団法人 むつ市観光協会 霊場恐山)
本尊の周辺には宿坊の吉祥閣を始め、お稲荷様や温泉など(!)も点在しています。
宇曽利湖周辺には如来様や賽の河原、地獄など、我々が”あっちの世界”として聞く名前が多く見られます。
マップで見ると非常に規模の大きい寺院という印象。2日くらいなら時間を潰すのに困ることはないでしょう。
おわりに
レポートは大祭を見学した後に記事にしたいと思いますが、観光地として魅力的なスポットが数多くありますね。
ただ、忘れてはいけないのが、あくまでも死者の供養の為に作られた寺院であり、観光マナーはいつも以上に注意する必要が有ります。
マナーをしっかり守り、死者に敬意を払いながら見学しましょう。東北のおすすめ観光スポットですよ。
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