今年は6月から就活が解禁ですね。
とはいえ、半分の企業はすでに内定を出し終えているという話も…。
僕自身は”高学歴はごめんなさい?中小企業の採用担当が『学歴逆差別』に悩む”という記事にも書いたように、採用活動のお手伝いをしています。
新卒採用は書類選考のお手伝いがメインで、一次面接では”若手枠”としてオマケ程度に座っています。小さい企業なのでこの記事を見ている学生さんとお会いすることは無いと思いますが…
中途採用では、同僚候補の採用に限り、選考に参加します。
さて、僕は転職2回を経て、今の会社が3社目です。新卒、中途、中途と就職活動を3回していることになりますね。
立場が違うので比較が難しいですが、僕は回数を重ねるにつれ、選考の通過率が上がりました。緊張せず実力を出せるようになったのかもしれませんが、通りやすいエントリーシート(中途だと職務経歴書)の書き方や、面接での受け答えが洗練されてきたように感じます。
面接官の質問の意図だったり、どう答えれば評価されるのかが徐々に理解できるようになりました。もちろん嘘はつきませんがね。
圧迫面接や意表をつく質問はアドリブ力が試されますが、新卒・中途に限らず採用面接で必須の質問もあります。
基本的な質問につまづくようだと、単にこの会社に入る気が無いと捉えられてしまいます。
今回は『せめてこれくらい面接前に答えを用意しておいて欲しい!必答の面接質問例30選!』です。
僕はこれまで、面接を受ける会社毎に30個の回答シートを作成して面接に臨みました。ちなみに、新卒含め面接の通過率で50%を切ったことはありません。
自分が受験者側として就活3回、そして採用担当を経験して感じた面接のヒントを伝えていきます。
- 面接質問対策30選と質問の意図
- 1.会社の基本情報
- 2.志望理由
- 3.【新卒】ゼミや研究室のテーマ
- 4.【中途】現在の仕事内容
- 5.【中途】退職理由
- 6.【新卒】就活の進行状況/【中途】プラス学生時代の就活
- 7.当社の印象、特徴
- 8.長所・短所
- 9.就活の軸(何がモチベーションになるか)
- 10.トラブル体験(をどうやって乗り越えたか)
- 11.取り組みたい仕事
- 12.【中途】前職のスキルの活かし方
- 12.人からどのように評価されているか
- 13.どういうキャリアを歩んでいきたいか
- 14.自己PR
- 15.会社を選ぶ基準
- 16.あなたにとって仕事とは?人生の目標は?
- 17.人間関係、集団の中での役割
- 18.尊敬する人物
- 19.最近の関心事
- 20.人生で挫折した事
- 21.会社で取り扱っている製品
- 22.【中途】自分がこれまで取り扱った製品
- 23.その業界に今後求められる事は何か?
- 24.会社の将来性についてどう思うか
- 25.会社で◯◯というトラブルが起こったらどうする?
- 26.仕事での良い思い出、悪い思い出
- 27.タブージャンルについての思想
- 28.どんな時に喜怒哀楽が出るか
- 29.学業以外で取り組んだこと、趣味
- 30.最後に何か聞きたいことはありますか?
- おわりに
面接質問対策30選と質問の意図
1.会社の基本情報
採用面接を受けるのであれば、その会社の基本的な情報は調べておきましょう。
面接で『会社の売り上げは?』なんて聞かれることは少ないですが、そもそも面接官はこれくらい知っている前提で質問するので、理解できていないと面接の受け答えがチグハグになってしまいます。
以下のことは調べた上で面接に臨みましょう。面接に限らずエントリーシート作成でもベースとなる知識です。
- 会社名や志望部署名は漢字や読みまで完璧?(意外と間違える人多い)
- 取締役社長は?
- 売上高と利益は?
- 代表製品は?メーカーの場合は家庭用商品と業務用商品でどんな特徴がある?
- 企業理念と経営方針は理解できている?
2.志望理由
新卒だろうが中途採用だろうが必須です。これが答えられなければ受験資格はありません。
コツは2点!
①その会社ならではのサービス、長所を交えて志望理由を作る
『それは◯◯社でも出来るよね?ウチじゃなくても良いよね?』
に対するディフェンスは必須です。商品でもサービスでも社風でも良いですが、その会社独自の特徴を探しておきましょう。
①会社の社風を理解して答え方を工夫する
古い日系メーカーはお堅く『〜〜という理由で、ここでなら長くキャリアを形成出来ると思い…』なんて答えても良いと思います。
ただ、ベンチャーでは保身に走る受験者は敬遠されるかも。ササッと結果を出して高給勝ち取って5年で辞める人の方が好まれるでしょう。
志望理由を作るとき、その会社がどんな雰囲気の人材を欲しているのか想像し、表現を工夫しましょう。
3.【新卒】ゼミや研究室のテーマ
研究職の場合は選考に直結することもありますが、多くの場合は『自分の学んでいることを理解できているか』や『理論立てて話すことが出来るか』を見ています。
ゼミ内容や研究テーマそのものが選考に関わることは少ないです。
研究発表に関しては”上手な研究発表のストーリー構成とは:『三角形』の法則”をご参考ください。
- 研究の目的は?その研究で何に貢献できるか?何につながるのか?
- なぜそのテーマ、研究室を選んだか?
あたりは整理しておきましょう。
4.【中途】現在の仕事内容
中途採用で最も重要な項目の1つです。
- 所属部署と業務
- これまでの取り扱ってきた製品
- これまでの経歴
を自分のスキル、実績(金額ベースで)がわかるようにまとめておきましょう。
5.【中途】退職理由
これも中途採用では必ず聞かれる質問です。
絶対に気をつけなければいけないのが、マイナスの理由はタブーということです。
- 人間関係が理由で…なら人間関係を上手く作れない人
- 別の仕事をしたくなった…なら飽き性でいつ辞めるかわからない人
というように、ネガティブな受け答えをする人が受かることはまずありません。
転職エージェントには、『リストラは別として、辞めたのを会社の責任であるかのように話す人が受かる会社はない!』と言われましたね。例え、事実だとしても…。
ネガティブな退職理由にしても答え方があります。
- やりたい仕事が出来なかったなら、異動は出来なかったのか?その仕事が出来るように主体的に動いたことはあるのか?
- ”仕事が嫌になった”ではなく、”実績を出した上で、新しい分野に挑戦したくなった”と答える
退職理由はポジティブな表現で終われるように工夫しましょう。どんな質問でも重要な考え方です。
6.【新卒】就活の進行状況/【中途】プラス学生時代の就活
なぜか新卒、転職ともに聞かれる機会が非常に多かったです。
新卒採用に関しては『他社の内定を取っているのに当社を受験 ≒ 志望度が高い』と判断する企業もあります。
転職に関しては、『学生時代からやりたい事がどう変わったのか』という内面に焦点を当てた質問だったりします。
7.当社の印象、特徴
1.会社の基本情報をベースに考えをまとめておきましょう。
重要なのはやはりポジティブな印象…なのですが、『会社の弱点を踏まえた改善提案』までアプローチできると頭1つ抜けられるかもしれません。
もちろん、蛇足にならないように答える必要がありますが…
面接の基本は『聞かれた事だけ端的に答えること』です。自己アピールも大事ですが、まずは過不足なくコミュニケーションを取りましょう!
掘り下げたい時は面接官が勝手に掘り下げてきます。
8.長所・短所
これも考えていない人はいないと思いますが…。
長所の派生質問は『その長所を仕事にどう活かすか』
短所の派生質問は『その短所をどう打開するか、どうカバーするか』
面接の基本は”一緒に仕事できるか”を見ることなので、質問の裏に隠れた意図をよく理解しましょう。
9.就活の軸(何がモチベーションになるか)
何を軸に就活をしているか…特に新卒では頻出の質問ですね。
要は自分のモチベーションを上げる要素です。仕事内容でも金でも評価でもやりがいでも良いですが、必ず『何故それがモチベーションとなるか』を説明できるようにしましょう。
『〜を軸に就活をしており、こういうサービスを提供している御社でなら実現できます。』
が綺麗な〆め方になると思います。
10.トラブル体験(をどうやって乗り越えたか)
これは中途採用の面接では頻出の質問です。
新卒採用でも同じ意図ですが、『トラブルへの対処能力』や『ストレス耐性』を見られています。
上手くいっている時は誰でも上手くいくもの…予想外の出来事が起こった時に対応できる素養があるか判断します。
失敗なしの優秀なサラリーマン生活より、失敗を乗り越えてより大きく成長した経験の方が転職活動では評価されます。
11.取り組みたい仕事
志望理由をより掘り下げた質問です。
志望理由と同じく『その会社ならではの仕事』を挙げられると良いですね。
味◯素を例に挙げてみると、
『微生物の研究をして新しい発酵調味料を作りたいです』
だと浅いです。
『◯◯分野でトップの研究環境を持つ御社で、◯◯学的なアプローチで◯◯というプロセスを経て(特定の微生物)の発酵生産能の向上に取り組みたいです。』
くらい掘り下げていかないと”独自性”のある志望理由は作れないですよ。
12.【中途】前職のスキルの活かし方
中途採用で頻出の質問です。
前の会社で得られた能力を自社で活かせないなら、わざわざ中途採用する必要はありません。
20代であればスキルを直接活かせなくてもポテンシャルを示せれば問題ない(ことが多い)ですが、『仕事に対する考え方』や『業務計画の組み立て方・実行プロセス』において、学生とのレベルの違いを見せつけましょう。
12.人からどのように評価されているか
『長所』を他者視点で客観的に答える必要があります。
誇張せず、自分を落とさず、冷静な視点で自分の長所を伝えていきましょう。
13.どういうキャリアを歩んでいきたいか
これは短期(入社後〜3年)・中期(3〜10年)・長期(10年後〜)に分けて考えておきましょう。
理論だったキャリアプランを提示することで、会社も腰を据えて長く働く気があると判断します。
『そのプランと将来が違ってきた場合どうしますか?』
に対するポジティブな返答も考えておきましょうね!
僕は”私はこの会社のサービス全体に魅力を感じているので、どのような形でも貢献できれば嬉しいです”と答えて内定をもらって働いて給料以上の結果を残して3年で転職しました。
14.自己PR
これを答えられない人はいないと思いますが、おすすめは『結論』を先に伝え、後から肉付けしていくという方法。
『私の長所は”課題解決力”です。なぜなら〜』
『私は”粘り強い”人間です。以前の仕事で〜』
内容は人それぞれですが、長い自己PRを一言一句聞き漏らさない面接官なんていないので、フリートーク系の質問では結果を先に言うのが常套手段です。
15.会社を選ぶ基準
志望理由の本質を問う質問ですね。
”志望理由に一貫性があるか(ウソをついていないか)”を判断するために、志望理由と間を空けて聞くことが多いです。
16.あなたにとって仕事とは?人生の目標は?
9.就活の軸に近い質問です。
働いて給料を貰うことについて、どう考えているのか…単なる金稼ぎか、自己実現の手段か、自分の意思を整理して説明できるようにしておきましょう。
スキル面よりも”人として一緒に働きたいと思える人間か?”を見られています。
17.人間関係、集団の中での役割
会社では1人で仕事はできません。コミュニティの中でどんな役割を担えるか見られています。
リーダーでも補佐役でもかまいません。自分がどんな形でコミュニティの構築に貢献できるか伝えましょう。
また中途採用では『以前の会社で人間関係に問題は無かったか?』を聞かれることもあります。退職する場合、人間関係に問題が無い方が少ないですが、綺麗事抜きに『人間関係が原因で辞めました』という人を採用する企業は無いので、別の返答を考えておきましょう。
- 仕事をしない人がいた場合、どう接しますか?
- パワハラ上司に当たったらどうしますか?
- ダメな後輩がいた時、どう指導しますか?
これまで色んなパターンで”人間関係”を聞かれましたね。いずれにしても『多様な人間としっかりコミュニケーションを取れるか』を見られる質問です。
18.尊敬する人物
頻度は多くないですが、たまに聞かれました。
僕は歴史にあまり興味がないので…無難に親族の名前を答えてましたね。
19.最近の関心事
自社と関係ある自治問題は面接では非常に多く質問されます。
僕はずっと食品メーカーで働いていますが、当時はアクリフーズでのスタッフによる農薬混入問題が起こった直後で、そのニュースについての意見や再発防止策を問われました。
ニュースに載っているような基本的な自治問題、経済の知識は押さえておきましょう。
20.人生で挫折した事
10.トラブル体験に近いですが、プライベートに焦点を当てた質問で『ストレス耐性』を問われています。
必ず『どう乗り越えたか』がセットでついてくる質問ですので、乗り越えられてない挫折経験を答えるのは止めておきましょう苦笑
21.会社で取り扱っている製品
ちょっと意地悪な質問のされ方が多いです。
メーカーでは企業研究をしているか見るために、自社製品の知識について聞かれる場合が多いです。
『当社の〜〜という製品についてどう思う?』
といった質問です。
知らない場合は他で取り返すとして…自社商品の長所と短所の分析や、マーケティングプランまで挙げられると高評価です!
22.【中途】自分がこれまで取り扱った製品
これも転職活動では良く聞かれました!
私はそれなりに知名度の高い企業で働いてきたので、同業者の面接官は在職中の会社をよく知っています。
『そういえば、最近あなたの会社で◯◯って新商品出したけど、どんな製品なの?』
という質問等です。
企業秘密を答えるのはアウトですが、商品のPR(なんか矛盾してますが)をできるくらいの営業トークは身につけておきましょう。
23.その業界に今後求められる事は何か?
業界知識を問われます。
業界全体の売り上げ傾向や経済情勢全体について把握し、答えられるようにしましょう。
24.会社の将来性についてどう思うか
転職活動中に何回か聞かれました。
もちろん『将来性は…あまり無いですね…』では面接官も『Oh…』となってしまいます。
カドを立てないように客観的に弱点を捉えた上で改善提案できれば高評価ですが、僕は自信が無かったのでポジティブな側面だけを答えて無難にかわしていました。苦笑
25.会社で◯◯というトラブルが起こったらどうする?
意表をついた質問ですが、営業なら営業、研究なら研究と、その職種で起こりうるメジャーなトラブルの解決策が問われます。中途採用で特に多い質問です。
僕は技術系だったので、『急に機器トラブルが起こり、製造ラインが止まった場合どう対処しますか?』という質問等です。
自分の職種におけるメジャーなトラブルシューティングを整理しておきましょう。
26.仕事での良い思い出、悪い思い出
大体の質問が終わった雑談タイム…
と見せかけて課題解決力を見られている場合があります。
面接での返答はどんな質問でも『出来事の羅列』で終わらないようにしましょう。
何が得られたか、どう対処したか、どう乗り越えたか…雑談だろうが面接官の質問には必ず意図があると考え、緊張感を消さないようにしましょうね。
27.タブージャンルについての思想
最近は企業も燃えやすい話題を避けるので聞かれることは少なくなりましたが、
『ジェンダーやLGBTについてどう考えるか?』
のような、返答に困る質問もありました。
偏った答えは爆弾になるので、誰も否定しないような表現で答えることが重要です。
失言をしない能力を見られている場合もあります。
28.どんな時に喜怒哀楽が出るか
『どんなことをされると一番怒りますか?』
といった質問です。
素のままに答えて良い質問ですが、なるべくなら器の広さを見せたいですね笑
やはり”一緒に働きたいか”を見られています。
29.学業以外で取り組んだこと、趣味
新卒で頻出の質問ですね。僕は勉強だけ本気で頑張りました!も十分魅力的だと思うんですが…。
これも、内容そのものを問われることは少ないです。珍しい経験をしている場合、そこから話が広がることもありますが。
この質問をきっかけに、『成功・挫折体験』や『人間関係』に派生します。
30.最後に何か聞きたいことはありますか?
新卒や中途採用問わず、必ず聞かれる質問です。
なんでも良いですが、海外展開や仕事の進め方など、その会社でのキャリアがイメージできる質問が良いでしょう。
『自分がその会社で働く上で、どんな回答を得られればイメージが固まるか?』
これを念頭におけば、質問に困ることは無いはずです。
おわりに
形式ばってしまいましたが、この30項目に対して準備しておけば、新卒でも転職でもかなり自信を持って面接に臨むことができるでしょう。
ただ、どこでも一番大切なのは模範回答ではなく『面接官とちゃんと会話できるか』です。出来ない人が本当に多い…。
志望理由を聞かれたのに、自己PRから長所短所まで全部答えようとしたりとか…。
”一緒に仕事をしたいと思えるか”
面接官だけでなく、受験者もこの視点を持って、堂々と、そしてシンプルに面接に臨んだ方が良い結果が得られると思いますよ。