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食品表示検定中級の合格体験談|勉強法や難易度、過去問入手法などまとめ

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僕は大学を卒業してからずっと食品メーカーで働いています。
TOEIC危険物取扱者公害防止管理者など、メーカーで汎用性の高い資格はいくつか習得しましたが、『食品メーカーならではの資格』というとなかなか思い浮かびません。

食品メーカーの特徴として、独占資格、専門資格が少ないことが挙げられます。
弁理士や行政書士のように、職務に必須な資格があるわけではありません。
また、IT業界における基本情報技術者のように、業界に特化している、かつ広く評価されるようなスキルも少ないのが現状です…

食品業界にも、◯◯ソムリエなど、尖った資格はたくさんあります。
しかし、汎用性が高い資格というと『食品表示検定』がベストではないでしょうか。
僕は以前、食品表示検定の中級に合格し、現在は上級を目指しています。

この記事では、食品に関わる仕事に就いている人、就きたい人に向けて、食品表示検定について解説していきます。
資格の内容から、最も受験者が多い中級の勉強法難易度勉強時間などについてまとめていきますので、ぜひ参考にしてください。

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食品表示検定の基礎知識

食品表示検定とは

食品表示検定は名前のとおり、日本の食品ラベルに書かれている情報:栄養成分、アレルギー、原産地などを読み解き、理解するための資格です。
消費者にとっては正しい情報を理解するために、メーカー側としては正しい食品表示をつくるために活用できます。
食品表示検定協会が管轄しており、申し込みも公式サイトから行います。

各試験のおおまなかスケジュールは以下の通りです。
※受験地や試験日は毎年変わる可能性があります。必ず事前に公式サイトでスケジュールをチェックしましょう。

難易度試験日受験地
初級6月、11月札幌、仙台、東京、新潟、金沢、甲府、静岡、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡、松山、那覇
中級
上級11月札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡

申し込みは試験日の2ヶ月前…例えば6月受験であれば申し込み期間は3〜4月になることが多いです。申し込み遅れに注意しましょう!

合格者は『食品表示診断士』という肩書きになります。

2010年からスタートした新しい資格ですが、年々受験者は増えており、需要も高まっています。
業界にこだわらず食品メーカー全体で活用できる資格なので、社内の推奨資格になっているメーカーも少なくありません。
僕が以前勤めていた大手食品メーカーでも、技術系の人間(品証、商品開発、研究)は全て食品表示検定の受験を勧められていました。もちろん受験補助と合格手当もありましたよ(^p^)

食品表示検定は、生鮮食品から加工食品まで、あらゆるジャンルの食品を扱う試験です。
食品メーカーだけではなく、百貨店やスーパー勤務飲食店の経営者など、食に関わる人なら取っておきたいスキルの1つです。

初級、中級、上級どれを受けるべき?

公式では初級の対象者について、

食品表示を理解し、商品を選択したい消費者向け、食の生産、製造、流通の食品表示の初心者向け

とありますが、カンタンにまとめると…

【初級】食品表示ビギナー|食品表示を理解したい消費者向け
【中級】食品業界で働くなら基本|食品メーカーや食に関わる事業者向け
【上級】食品表示のプロ|食品ラベルを実際に作る実務担当者コンサタント向け

という感じですね。

初級でも、いち消費者にとっては十分すぎる内容です。
しかし、ビジネスレベルでは少なくとも中級以上じゃないと不十分ですね。
中級レベルに受かれば、食品表示に関する『知識』としては十分実用レベルになります。

中級は初級の不足点を追加したような試験となります。
ただ、上級になるとレベルが違う試験に進化するので注意!
こちらは、品質管理の責任者など、食品表示のプロを目指す人が対象になります。

食品業界のビジネスマンなら、まずは中級からスタート!
そこから必要に応じて上級を目指しましょう!

食品表示検定の難易度、試験内容、合格基準

各試験の内容と勉強時間についてカンタンにまとめました。
あくまでも僕の主観です。

難易度勉強時間内容
初級30時間〜食品表示の基本的なルール
中級60時間〜食品表示関連の法規、最新の食品表示
上級中級+100時間〜
※中級合格者のみ
食品表示関連の法規、最新の食品表示(35点)
+記述式試験(65点)

上級でも、選択問題の範囲は中級とかぶっている部分がほとんどです。
そもそも受験資格は中級合格者ですし、上級は記述式の対策が中心になるでしょう。

ただ、この記述式がやっかいです…
問題例を挙げると、

加工食品においてアレルギー表示を行う際に留意すべき事項を、以下の用語をすべて使用し、 800字以内で説明しなさい。 解答は、別紙解答用紙に記入し、用語リストに指定している用語については、それぞれ最初に 使用した箇所に下線を引くこと。

用語リスト: 「特定原材料」、 「代替表記」、 「コンタミネーション」

のように、かなり細かいところまで出題されます。
上級試験の講評を見ると、

内容的にも形式的にもそのままで書籍のコラムや雑誌の原稿として耐えられるものを目標としている。

昨年度の講評にも書いたが、文章の内容に応じ段落を設ける、各段落の冒頭は1文字空けて書き始める、という作文の基本が守られていない解答がまだ散見される。
800字の原稿 用紙をいっぱいに使い、内容は過不足なく、形式的にもそのままで印刷原稿にできるものを15点とする考え方で採点している。内容だけでなく形式についても採点対象としているの で軽視せず対応 していただきたい。

と、採点基準もかなり厳しくなっています。

出題範囲としては中級と変わらなくても、完全に理解していないと解けない問題ばかりです。
合格点も、初級中級が70点に対し、上級は80点!
まさに実務レベルというわけですね!

ちなみに、僕が中級に合格した時の勉強時間は約60時間です。
ただし、僕は食品メーカーに勤めており、こういった専門知識に苦手意識はありませんでした。
自分の業界の表示内容についてはわかっていたので、ゼロからスタートすると100時間くらいが目安になるでしょう。

食品表示検定は就職や転職に有利になるの?

合格者インタビューを見ると、日本食研や東急ストア、生協、イオンなど、メーカーや小売店が並びます。
大手の食品メーカーや百貨店の食品担当などであれば、キャリアチェンジの場面でも十分評価されます。
企業によっては、昇進や昇給の条件になっていることもあります。

食品表示検定は、まだ若い資格試験とはいえ、JASからも後押しされているメジャーな試験。
ただでさえ業界全体にまたがるスキルが少ないのが食品業界…
食品をキャリアの中心にしたい人にとっては必須資格の1つですね。

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食品表示検定に合格する勉強法

過去問がセミナー限定!?セミナーは受けるべきなのか?

ここでは勉強法を中心にまとめます。

さて、どんな資格でも勉強に必要なのが『過去問』ですが、食品表示検定では公式な問題集がありません…。
過去問は、受験の約1ヶ月前にある公式の『検定対策セミナー』を受講しないと手に入らないのです。

このセミナーの受講料は初級5,100円、中級10,300円、上級7,200円…
僕も受講しましたが、内容は公式テキストがコピペされたスライドが延々流されるだけ…
『ここは出やすいです』と解説してくれますが、正直過去問を見ればだいたい出題傾向がわかります。
中級セミナーに関して言えば、過去問だけもらって帰っても全く問題無い内容でしたね…。

なお、セミナーでもらえる過去問や、試験日の問題用紙は持ち帰ることができます。
社内で推奨資格になっていると、会社に過去問が保管されていることも多いようです。

もちろんセミナーを受けなくても試験は受けられます。
過去問入手に10,000円はかなり高いですが、個人で受ける人で不安なら受講しておきましょう。

筆者の勉強法とおすすめテキスト|独学で合格するために

僕は食品表示検定を会社で勧められたわけではなく、個人で受けたので、過去問からテキストまで全て自分で入手しました。
とはいえ、出題傾向はシンプルですし、相対評価ではなく『基準点』を満たせば合格できるテストです。
勉強法を間違えなければ、合格は難しくありません!

まず、絶対に用意すべきなのが公式の認定テキスト
試験では、このテキストから出題されます。
文言がそのまま出題されるレベルですし、体系的にまとまっているテキストですから、実務にも活用できます。

ただし、昨今は食品表示のルールがどんどん新しくなっています。
テキストを買う前に、かならず最新版かどうかチェックしましょう!

僕の場合は、

  1. まずテキスト全体に目を通す
  2. 過去問を解いて、覚えていないところを覚え直す
  3. 過去問の傾向に合わせて、関連知識を覚えていく

というシンプルな勉強法です。

選択問題でキーワードとなるのが『数字』『個別的義務表示』です。

数字…例えば、”アレルギー表示が必須な特定原材料品目”や”アイスクリームの保存条件:マイナス18℃以下”などです。
数字に関わる項目は、とても出題されやすいのでチェックしておきましょう。

もう1つが個別的義務表示。
例えば、加工食品では原材料名などはどんな品目でも表示義務があります(横断的義務表示)。
それとは別に、牛乳では乳脂肪分の表示義務があるなど、個々の品目で必要な表示項目が追加されます。これが個別的義務表示。

選択問題では、『次の表示例から間違ったものを選べ』というような問題もあります。
個別的義務表示の部分にひっかけが多いのでチェック必須です。

テキスト5章以降にある『アレルギー』『遺伝子組み換え』『食品添加物』に関しては、各項目ごとに大問が作られるレベルなので、全て目を通しておきましょう。
稼ぎどころですし、実務でもとても大切な項目です。

過去問があると確かに便利です…
しかし、しっかり関連知識をひも付けて覚えていけば、過去問がなくても合格は可能ですよ。

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おわりに

食品表示検定は、食品メーカーの品質保障や商品開発はもちろん、最近は小売店販売員カスタマーサービスの方の取得も進んでいます。
ユーザーや来店者の目も厳しくなり、製造元だけではなく、小売店の人にも専門知識が求められてきているのが現状です。

セミナーや過去問の入手法など、セコい部分が見られるのは確かです。
しかし、食品表示検定は、見せかけの資格ではなく、しっかりと実務に活用できる知識が身につく試験でもあります。

食品業界を目指している人はぜひチャレンジしてみてください!それでは!