以前の記事では、COMPの栄養成分や課題、食シーンについて考察していきました。
とはいえ、現在では大手各社が栄養バランスに優れた食品、飲料を販売しています。
『他のバランス栄養ドリンクと比べたらどうなの?』と思う方もいるのではないでしょうか。
COMPのコンセプトとして競合となりそうなのは…
- 五大栄養素+食物繊維をバランス良く含む『完全食』に近い
- 飲むタイプのバランス栄養食品
というキーワードを満たすアイテム!
そこで、今回は『バランス栄養ドリンク』に絞り、栄養成分、値段、味…実際どれが一番良いの?って所を徹底比較していきましょう!
味でみるバランス栄養ドリンクの比較
カロリーメイト カフェオレ | |
希望小売価格 | 200円(税抜) |
容量 | 200mL |
熱量 | 200kcal |
たんぱく質 | 10g |
脂質 | 4.4g |
糖質 | 31.1g |
まずはバランス栄養食で有名なカロリーメイト缶。カロリーメイトのつですね。
ココアを選んだのは僕の好みです。
カロリーメイトブロックタイプの知名度は言わずもがな。缶タイプも薬局やスーパー等どこでも売っています。
メイバランスmini ヨーグルト味 | |
希望小売価格 | 230円(税抜) |
容量 | 125mL |
熱量 | 200kcal |
たんぱく質 | 7.5g |
脂質 | 5.6g |
糖質 | 29.3g |
お次はメイバランス。
高齢者や入院患者の栄養補助に使われることもある、最も有名なバランス栄養ドリンクです。
ヨーグルトを選んだのは僕がヨーグルトが好きだからです。
これら2つを完全食COMPと比べていきましょう。
まずは味から!
『バランス栄養ドリンク』ということで、指標を上図のように分けてみました。
COMPは水と牛乳でそれぞれ評価しています。
まずは純粋なおいしさ。単純に僕の好みで比較しています。
次が飲みやすさ。喉ごしや風味などから、継続して飲みやすい味作りになっているか評価しました。
舌触りは粉っぽさやザラつきを評価しています。
腹持ちはそのまんま。
さて、最初はカロリーメイト缶からいきましょう。
粉っぽさもなく、舌触りもなめらか。ほどよい甘みで飲みやすいですね。
ぶっちゃけ嗜好品として飲み続けたいほどではありませんが、栄養ドリンクとしては及第点!
他と比べるとあっさりしているので、腹持ちは劣るものの、毎日飲み続けられる味には仕上がっています。
メイバランスも飲みやすいです。舌触りに関してはカロリーメイトと同様。
ヨーグルトおいしいれす(^p^)
ただし、後味にわずかな油っぽさと苦みを感じました。ミネラルが豊富なためか、硬水っぽい風味も。
原材料を見ると食用酵母の文字があります。カフェイン様の苦みではなく特定のアミノ酸の苦みに近かったので、おそらく酵母の風味がやや強めに出ているのでしょう*1。酵母は健康に関するバックデータが豊富ですが、風味的には減点!
COMPは豆乳の風味がベースですが、根本的に味が薄いですね。
粉っぽさが目立ち、舌触りや飲みやすさは他の2品目よりも劣ります。
牛乳で溶くと少しマイルドになりますが、味だけ見ればプロテインの方が圧倒的に美味いです。
良くも悪くも味の主張が弱いので、ジュースなどの清涼飲料水と合わせやすいと思います。
規定量で溶かすと固形分が30%近くなるので腹持ちは良いですね。
1杯でだいぶお腹に溜まりました笑
栄養成分でみる完全食の比較
栄養バランスを比較するには…?
さて、単に栄養バランスを比較するにも、1缶(1袋)あたりの量が違います。
3アイテムを並べて比較するために、まずは各製品の『100kcalあたりの栄養素量』を比較してみました。
摂取エネルギーを合わせることにより、食品のポテンシャルそのものを比べられます。
次のデータが『100円あたりの栄養素量』です。
100円でどれだけ各栄養素が取れるか、その食品のコスパを比較しましょう。
ここでは、COMP、カロリーメイトドリンク缶ココア味(CMDココア)、メイバランスmini(どの味も栄養素は共通)に加えて、参考として食べるタイプのカロリーメイトブロック チョコレート味(CMBチョコ)も掲載しています。
100kcalあたりの栄養素量
このチャートは、100kcalで各栄養素が1日の必要量の何パーセント摂取できるかを示しています。*2
100kcalだと、COMPは1/4袋、カロリーメイト缶の半分(100mL)、カロリーメイトブロック1本、メイバランスカップの半分(62mL)にあたります。
例えば、左上のCOMPのグラフを見ると、100kcal(1/4袋)でビタミンB1やB2に関しては1日必要量の10%強を摂取できることがわかります。
COMPの栄養バランスが非常に優れていることを示していますね。
ビタミン、ミネラル、食物繊維は、1日必要量の5~10%を摂取できます。
完全食としてのポテンシャルももちろんですが、忙しいときの栄養補給にも最適ですね。
カロリーメイトに関しては、ドリンクタイプの方がカロリーあたりの栄養摂取量は高くなっています。
ビタミンに関してはビオチンを除き、COMPと同等以上摂取できます。ただし、ビオチンは腸内細菌が生産することもあり、通常は欠乏症になりません。
逆にミネラルに関してはあまり期待できませんね。鉄分やカルシウム以外は別の食材で補いましょう。
メイバランスはカロリーあたりのビタミン摂取量に関してはCOMPを凌駕していますが、ヨウ素、マンガン、カリウムはCOMPに比べてかなり低くなっています。
ただし、いずれも多くの食品に含まれ、欠乏症になることはまずないミネラルです。
『コスパ』で完全食を比較してみた
さて、これは各商品100円で摂取できる栄養素量です。*3
1袋300円は高い!とされていたCOMPですが、100円で摂取できるカロリーも高いため、前章と比べてチャートの面積が広くなっていますね!
カロリーメイト缶は変わらず、ブロックは2倍に、メイバランスは少し面積が小さくなりました。
こう見ると『栄養バランスは高いけど値段も高い』とされていたCOMPが、実はコスパも最強ということが示されてしまいました…。
COMP、カロリーメイト、メイバランスの立ち位置は?
COMPの長所は栄養バランスと『カスタマイズ性』
『全ての栄養素をバランスよく摂取できる』に関してはCOMPの優秀さが目立ちましたね。加えてコストあたりの栄養摂取量も最強と…
『完全食』としての機能は間違いなくナンバー1です。
味に関しては、まだまだ改善の余地があるように見えます。
素の風味は正直おいしくないですが、味の主張が弱いので、ベースの飲料の味を壊しにくいことも特徴です。
COMPに合うドリンクの紹介やレシピ提案、フルーツフレーバーのCOMPバリエーションなどを充実させていけば、より消費者に届きやすくなるはずです!
日常生活の補助&高齢者向けならメイバランスか
メイバランスに関しては、いくつか摂取しにくい栄養素があるとはいえ、各栄養素がかなり高水準で含まれています。
少ない栄養素は欠乏症になりにくい成分ですがら、日常生活の栄養サポートのために飲むならメイバランスがベストでしょう。
”メイバランスで生きていく”は無理にしても、完全食としての機能は高いです。
また、サラサラの口触りなど、高齢者や体の弱い人でも飲みやすい味づくりになっています。
COMPはどうしても粉っぽさが目立つのに加え、腹に溜まる…というか”少し重い”ので、若者・サラリーマン向けでしょうか。
ターゲットも住み分けできている印象ですね。
ビタミン特化&嗜好性のカロリーメイト
ビタミンの摂取量に関してはカロリーメイトがナンバーワンです。
ただ、完全食としての機能は他の2アイテムに劣り、あくまでも栄養サポート食の域は抜けません。
ブロックに関してはもはや『定番』の味になっていますから、ここから大きくシェアを落とすことは考えにくいです。缶は…何とも言えない…。
COMPやメイバランスとは別のカテゴリですかね。おいしい栄養バランス食としては変わらずハイクオリティです!
おわりに
COMPの完全食としての機能の高さ、そして、これまであまり言及されなかった『コスパの高さ』もわかりましたね!
1袋300円強というと少し高く見えましたが、意外な1面でしたね。
こう見るとCOMPはやはり完全食…『食事』として扱うのが正解なのでしょう。
他の2アイテムにも、COMPにはない長所、短所があります。
栄養バランスに関しては継続することが一番大切です。
それぞれ食シーンが違うので、自分に合ったバランス栄養食を選びましょうね!
*1:酵母細胞壁は食物繊維に、細胞質はアミノ酸、核酸などの旨味成分&栄養素になる
*2:1日当たりの必要量はCOMPのデータ(≒厚労省|日本人の栄養摂取基準2018年度版)を参照
*3:各商品の割引が無い状態。COMPは通常購入の1番下の24袋9000円(1袋375円)、他はメーカーの希望小売価格が基準。カロリーメイト缶は200円、ブロック(4本入)200円、メイバランスは230円。キャンペーンやまとめ買いにより値段は変動。